バネホックが付け根から取れた事例
バネホック凹側の正常なボタン。2本の平行な金属棒があれば問題無し。
これが片側無くなっていたり、広がりすぎてたりすると閉まらなくなります。
凸側は摩耗している場合も閉まりが悪くなります。
正面から見た時、〇であれば正常、片減りしてたら要交換かもしれません。
「閉まりを少し良くしたい」と言う程度であれば凸か凹どちらかを新品にする事で改善すると思います。
ボタンが壊れると、通常は汎用品に交換する事になります。
壊れた方だけ直せたら良いのですが、「サイズの微妙な違い」や「形状の違い」により、汎用品も合わない場合があり、そうなると「両方交換」となります。
凹側に「ブランドロゴ」がある場合がありますが、それも欲しい場合は「中古品を探して取付」も可能です。
さて、バネホックが壊れると交換する為に複雑な構造の物は分解する必要があります。
縫合を取り、コバ(革の切断面)も樹脂で塗ってある物(↑の写真)は亀裂が入る事になるので作り直しになります。亀裂があっても良い場合は省きますが。
コバはオレンジ線の範囲を修理しています。
割れを防ぐため、当工房では「割れやすい部分」と「割れにくい部分」で「使う素材を変えます」。
割れやすい部分には「分子結合の強い塗料」を塗布、割れにくい部分には「作業性の良い一般的な塗料」を分ける事によって「割れにくい」のが特徴です。
バッグにはそこまでする必要が無い場合が多いですが、画像の財布は頻繁に曲げるのでそのようにした方が長くお使い頂けます。
修理費を安くしたい場合は「作業性の良い一般的な塗料」のみ使用致します。
色に関しては、部分修理では「作業してない場所」と「した場所」を完全に分からなくすることは不可能です。明るい色は特に。
写真では分かりにくいですが、僅かな色の違いがあります。
こだわり派の方は少しお値段上がりますが、
「修理する面全て、角まで」交換されるとご満足頂けると思います。
さて縫合についてですが、「糸を解く」→「スナップボタン取付」→「再縫合」の時、既存の糸だけでは「糸の長さが足りなくなる」ので、その分を「別のできるだけ近い色の糸」を使って縫合します。
そのため、在庫している糸によっては「若干色の違いが気になる」場合があります。
こだわり派の方は「作業しているそのライン全交換」すると気にならなくなります。
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