今回「セルロース」と言う繊維と「接着剤」が主原料の、
革の代用品となる新素材「セルレザー」を開発致しました。
水色の部分がそのセルレザーにカラー塗装した物です。
「牛革の2倍の引張り強度」を持ち、通常1つのパーツが1mm厚で作る革製品の半分の厚さで作ることができるため、
札入れなどの薄さを生かした製品作りが可能。
何度曲げても傷みませんので、革と同じように扱えます。
折り紙の様に折るのはダメですが、半径10mm程度の曲率でも耐える素材です。
最大の特徴は、曲げた時に粘り(低抗感)があり、開閉する時に動物の革には無い、面白い動きをします。
この財布で言うと、開くとき少し抵抗感があり、
90度開いた場合、3秒程度経つと抵抗感が無くなり、
そのまま手を離すとゆっくり「ぐにゃー」っと開いていきます。
閉じる時も同様に軽く抵抗感があり、数秒待つと抵抗が無くなり、閉じたい位置で安定します。
ちゃんと閉じず浮いたままになる事無く、必ず数秒後には閉じた位置に来ます。
閉じた状態でグラグラしないので「ボタンで固定する機構も不要」。
気温の影響を受けやすいので、寒い時期に強くこの特徴が出ます。
面白くないですか?この素材♪ 多分どこにもない素材ではないでしょうか。
曲げたときの感触はコードバンが一番近いです。
コードバンに粘りを持たせた物と考えると良いかも。動画をご覧下さい。↓
動きを分かりやすくするため、被せ側には何も収納しない軽量状態で撮影しています。
硬貨は重いので、ふにゃふにゃの革では小銭があっち行ったりこっち行ったり偏ったりします。
セルレザーは適度な硬さがあるので、小銭の重さで変形することがありません。小銭を無作為に入れ、ファスナーを閉じ、財布を水平にして水平方向← →にシャカシャカ振る。
これで小銭が重ならず、スマートな財布として使えます。
耐久性も高く、「PU」とか「ポリウレタン」とか呼ばれる劣化素材を主成分に使わないため、
「ひび割れ」「粉吹き」などの様に状態が悪くなることもありません。
以下の画像は左が「新品作成時」、右が「1年後」の写真です。
伸縮の激しい場所にもかかわらず、割れなど見られません。
「全く傷んでない」のがお分かりいただけると思います。
曲げ部はシワができてますが、厚さを薄くして2枚重ねにすれば大丈夫。
今回0.7mmで制作したのですが、若干失敗。0.5mm2枚にすればよかった・・・。
「セルレザー」製品 1 号なのでまだ微調整が必要だと感じています。
財布以外にも「ベルト」に使うのも良し。セルレザーを芯材として使い、両面に革を張り合わせれば、見た目は革ベルトで着脱時にユニークな感触を楽しめます。
紺色の革は私的に「手触りが最上級」と思っている「ラム革」です。
子羊の革です。しかもより手触りが良くなるクロム鞣し革。
更に言うと無塗装。無塗装革は吸い付くような繊細な手触り。
塗装革はキュッキュッ、クックッと言ったグリップ感があり、手触りが犠牲になります。
塗装しないと色ムラがでるので塗装品ばかり流通しており、
手触りが犠牲になっている物しか出回っていません。
これはずっと触っていたくなるほどの手触りなのです。
セルレザーは生地に触れ、押した時の弾力感はありません。そして触れて滑らせたときの手触りが「ルイヴィトン」や「プラダ」などの様な塗装された革製品のような感じなので、
手触りが最上級のラムを使って魅力を補ってみました。
ラム革は柔らか過ぎて加工が難しく、ほとんど財布には採用されない素材です。
よくジャケットや手袋に使われます。
切断部はセルレザーの極薄生地をコの字に巻く事にしました。
よって貼り合わせたセルレザーとラムが剝離せず、段差が全く無い、細部まで他には無い仕様になっています。
セルレザー+ラム革の長財布。世界に一つだけの商品ができました♪
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